商圏分析

飲食店の商圏分析のやり方
Googleマップで競合と自店を比べる

この記事で整理すること

  • ・商圏分析って、何を見ればいいの?
  • ・商圏の決め方と、競合の選び方
  • ・Googleマップでできる競合の見方(5観点)
  • ・自店の立ち位置(商圏ポジション)の把握

商圏分析というと難しく聞こえますが、飲食店の場合はシンプルです。「自分の店の近くにいるお客さんが、どの店と自店を比べているか」を知ること。 特別なツールや調査会社は要りません。Googleマップを使えば、今日から始められます。 全体の流れはMEO診断とはで整理しています。

商圏分析とは(飲食店の場合)

お客さんが「エリア名+業態」(例:「金田 海鮮」)で検索したとき——

Googleマップにはあなたの店と、近隣の競合が一緒に並びます。
そのとき「選ばれる店」と「スルーされる店」の差を知るのが商圏分析です。

昔ながらの商圏分析は「半径◯kmに何人住んでいるか」という人口統計が中心でした。 もちろんそれも大事ですが、Googleマップ集客では「検索したときに自店と一緒に表示される店=実質的な競合」を見る方が、来店に直結します。 お客さんは地図の中で比べて選ぶからです。

まず「自店の商圏」を決める

比べる前に、どの範囲を商圏とみなすかを決めます。業態と立地でだいたいの目安があります。

業態で変わる商圏の広さ

自店徒歩 500m-1km車 5-10分目的来店は広め
徒歩客、車客、目的来店では、比べる競合の範囲が変わります。

都市部・徒歩客中心

半径500m〜1km

駅近の居酒屋・カフェなど。徒歩や電車で来る人が中心。狭い範囲に競合が密集する。

郊外・車客中心

車で5〜10分

ロードサイドの食事処など。車での移動が前提。範囲は広いが競合は分散する。

目的来店型(専門店)

さらに広い

評判の専門店など、遠方からでも来る。商圏は広く、口コミの強さがより効く。

範囲が決まったら、「エリア名+業態」で検索して上位に出てくる同業3〜5店を競合として選びます。これがあなたの実質的なライバルです。

マップで競合を見る5つの観点

選んだ競合と、自店を次の5項目で見比べます。「どこで差がついているか」を探すのが目的です。

競合比較で見る5指標

写真口コミ評価返信更新自店
写真、口コミ、評価、返信、更新を並べると、印象ではなく数字で弱点が分かります。

写真の枚数と1枚目

競合は何枚?1枚目は料理写真か。自店が見劣りしていないか。写真は来店の決め手になりやすい。

口コミの件数と評価

件数・平均点・直近の口コミの新しさ。返信しているか。件数が多い店は信頼されやすい。

更新の新しさ

最近投稿しているか、写真を足しているか。動いている店ほど、Googleにも利用者にも評価される。

カテゴリと打ち出し

どんなカテゴリ・キーワードで打ち出しているか。自店との違いはどこか。狙うワードのヒントになる。

価格帯・メニューの見せ方

価格やメニューが分かりやすく載っているか。予約導線があるか。来店のハードルの差が出る。

「なんとなく」ではなく数字で比べる

見比べるときは、必ず数字でメモします。印象だけだと「競合の方がすごい気がする」で終わり、何を直せばいいか分かりません。

 自店競合A競合B
写真枚数8枚24枚31枚
口コミ件数12件88件140件
平均評価4.14.04.3
返信率0%60%90%
最終更新3ヶ月前今週先週

※ 上記は見方の例です。実際の数字を入れて比べてください。

こうして並べると、この店は「平均評価は競合に負けていないのに、写真・返信・更新で差がついている」と一目で分かります。 つまり、味や評価ではなく「見せ方と運用」で機会を逃しているということ。直すべき場所がはっきりします。 写真の目安は写真は何枚必要?、 返信のコツは口コミ返信の文例集へ。

見つけた差を埋める順番

比較で弱点が見えたら、自分でできて効果が早い順に手をつけます。

  1. 1

    写真を競合並みに増やす(料理中心、1枚目を看板メニューに)。今日からできて、反応が変わりやすい。

  2. 2

    溜まった口コミにすべて返信する。返信率は競合と差がつきやすい項目。

  3. 3

    週1回の投稿・写真追加で「更新の新しさ」を競合に追いつかせる。

  4. 4

    1ヶ月後に同じ表をもう一度作り、差が縮まったかを確認する。

「商圏内で何番目か」を自動で出す

手作業の比較は手間がかかり、現在地の偏りも入ります。毎月続けるのは正直しんどいものです。 同じエリアの同業の中での自店の順位(商圏ポジション)を自動で出すと、 比較の手間が省け、毎月の変化も追えます。順位の見方はGoogleマップの順位を確認する方法も参考に。

なぜ商圏分析が必要なのか

「うちは口コミも悪くないし、写真もそれなりに載せている」——そう思っていても、 実はそれだけでは「良いのか悪いのか」は判断できません。 なぜなら、自分の店だけを見ても比べる相手がいないからです。 テストで70点を取ったとき、それが良い点なのか悪い点なのかは、まわりの平均点を知らないと分かりませんよね。 お店も同じで、基準になるのは「同じ商圏で戦っている競合」です。

ここで大事なのは、お客さんが店を選ぶときの行動です。 お客さんは「金田で海鮮の店を探そう」とGoogleマップを開いたとき、 出てきた店を1軒ずつじっくり吟味するわけではありません。地図の上に並んだ何軒かを、ぱっと見比べて選ぶのです。 写真がきれいな店、口コミが多くて評価が高い店、最近も動いていそうな店—— その瞬間の比較で、来店するかどうかがほぼ決まります。

つまり、あなたの店はいつも近隣の競合と並べて比べられているということです。 だからこそ、自店だけを磨くのではなく「競合と比べて、どこで負けているか・勝っているか」を知る必要があります。 それが商圏分析の出発点です。難しい統計の話ではなく、 「お客さんの目線で、自店と競合を同じ画面に並べて見てみる」——ただそれだけのことなのです。

商圏の広さの決め方(業態別の目安)

競合を選ぶ前に、まず「どのくらいの範囲を自店の商圏とみなすか」を決めます。 ここを決めないと、関係のない遠くの店まで競合に入れてしまい、比較がぼやけてしまいます。 商圏の広さは、お客さんが「どうやって来るか」でだいたい決まります。 自分の店がどのタイプに近いかを考えてみてください。

都市部・徒歩客中心

半径500m〜1km

駅近の居酒屋やカフェなど、歩いて来るお客さんが中心の店。範囲は狭いぶん、その中に競合がぎっしり密集します。「あと一歩のところで隣の店に行かれてしまう」激戦区になりやすいので、見せ方の差が結果を大きく左右します。

郊外・車客中心

半径3〜5km(車で5〜10分)

ロードサイドの食事処やファミリー向けの店など、車で来るのが前提の店。範囲は広くなりますが、そのぶん競合は分散します。「わざわざ車で行く価値があるか」を写真やメニューでしっかり伝えられているかがポイントです。

目的来店型・専門店

さらに広い(市外・県外も)

評判の専門店や名物のある店など、遠方からでも目的を持って来てくれる店。商圏はかなり広く、口コミの数と評価の高さがより強く効いてきます。「ここでしか食べられない」という打ち出しが武器になります。

上の目安はあくまで「考えるためのものさし」です。 最終的にいちばん信頼できるのは、実際に「エリア名+業態」で検索して、自店と一緒に並ぶ店。 検索したとき同じ画面に出てくる店こそ、お客さんがあなたの店と比べている相手=実質的な商圏だからです。 まずは自分のスマホで一度検索してみると、自店の商圏がはっきりイメージできます。

競合をリストアップする手順

商圏が決まったら、次は比べる相手=競合を具体的に書き出します。 なんとなく「あの店がライバルかな」と頭の中で考えるのではなく、紙やメモアプリに名前を書き出すのがコツです。 手を動かして並べると、自分の立ち位置が一気に見えてきます。手順は次の通りです。

  1. 1

    お客さんになったつもりで、Googleマップで「エリア名+業態」を検索する(例:「三浦 海鮮丼」「金田 居酒屋」)。普段お客さんが使いそうな言葉を素直に入れるのがポイント。

  2. 2

    検索結果の上位に出てくる同業の店を、上から順に名前をメモしていく。3〜5店もあれば十分。多すぎると比較が大変なので、まずは目立っている店に絞る。

  3. 3

    メモした店を「直接競合」と「間接競合」に分ける。直接競合=同じ業態・同じくらいの価格帯で、お客さんが自店と本気で迷う相手。間接競合=業態や価格帯が少し違い、ときどき選択肢に入る程度の相手。

  4. 4

    まずは直接競合(2〜3店)にしぼって、次の比較に進む。同じ土俵で戦っている相手と比べてこそ、本当の弱点と強みが見えてくる。

ここで「直接競合」と「間接競合」を分けておくと、後の打ち手で迷いません。 たとえば価格帯がまったく違う高級店と自店を比べて落ち込んでも意味がない。自店と同じくらいの客層・価格帯で、お客さんが本当に迷う相手に勝つことを考えるのが近道です。

比較する5つの指標が「何を表すのか」

競合と自店を比べるとき、数字を並べるだけでは「だから何?」で終わってしまいます。 大事なのは、その数字が何を意味しているのかを理解すること。 5つの指標は、それぞれお客さんに別々のメッセージを伝えています。一つずつ見ていきましょう。

写真の枚数

情報量と、お店の「本気度」

写真が多い店は、それだけお客さんに伝えられる情報が多いということ。料理・店内・席の雰囲気が分かると、来店前の不安が減ります。同時に「ここまで載せているなら丁寧な店だろう」という本気度の印象にもつながります。逆に数枚しかないと、選ぶ材料が足りずスルーされがちです。

口コミの件数

知名度と、実績の積み重ね

口コミの件数は、これまで何人のお客さんが来て、声を残してくれたかの蓄積です。件数が多いほど「多くの人に選ばれてきた店」という安心感になります。一朝一夕には増えないからこそ、競合との差がつきやすく、地道に増やした店ほど強い指標です。

平均評価

お客さんの満足度

星の平均点は、来た人がどれくらい満足したかの目安です。ただし件数が少ないと1件の影響が大きく振れるので、必ず件数とセットで見ます。評価が競合に負けていないのに来店が少ないなら、味ではなく「見せ方」で機会を逃しているサインです。

口コミへの返信率

お客さんへの姿勢

口コミに返信しているかは、お店がお客さんの声にどう向き合っているかを映します。良い口コミにはお礼を、厳しい口コミには誠実に。その様子は、これから来ようとしている人もちゃんと見ています。返信は無料でできるのに差がつきやすい、もったいない項目の代表です。

最終更新の新しさ

今も現役で動いているか

最近写真を足したり投稿したりしているかは、「この店は今も元気に営業しているな」という生きた証拠になります。更新が止まっていると、お客さんは「もう閉めたのかな」と不安になり、Googleからも動きの少ない店と見なされがちです。動き続けることが、地味ですが効きます。

この5つを並べて見ると、自店が「どのメッセージで負けているか」が分かります。 たとえば味(評価)は悪くないのに写真が少なく返信もしていないなら、「中身は良いのに、伝え方で損をしている」状態。 これは裏を返せば、手をつければすぐ挽回できるということでもあります。

差が分かった後の打ち手の優先順位

弱点が見えると、つい「あれもこれも直さなきゃ」と全部に手を出したくなります。 でも忙しい現場で全部を一度にやるのは現実的ではありません。 おすすめは、「差が大きく、かつ自分ですぐ着手できる項目」から手をつけること。 効果が早く出る順に並べると、続けるモチベーションも保てます。

現実的な優先順位

①写真と基本情報を整える(料理写真を競合並みに増やし、営業時間・メニュー・電話を正しく)
→ ②溜まった口コミにすべて返信する
→ ③週1回の投稿・写真追加で更新を止めない

なぜこの順番かというと、写真と基本情報は今日その場で着手できて、見た目の差がすぐ縮まるから。 お客さんが最初に目を留めるのも写真です。次に口コミ返信。これは無料で、お客さんへの姿勢が伝わり、差もつきやすい。 最後に「更新を止めない」習慣づくり。これは時間はかかりますが、続けるほど効いてきます。

それぞれの具体的なやり方は、Googleビジネスプロフィール最適化チェックリストに手順としてまとめています。 写真の目安は写真は何枚必要?、 返信の書き方は口コミ返信の文例集を見ながら進めると迷いません。

商圏分析はどのくらいの頻度でやるか

商圏分析は一度やって終わり、ではありません。なぜなら、競合もまた動いているからです。 あなたが写真を増やしている間に、向かいの店も口コミを集め、更新を重ねているかもしれません。 一度の比較は「その時点のスナップショット」にすぎず、放っておけばまた差が開いてしまいます。

理想は月に1回など、決まったタイミングでの定点観測です。 同じ条件で、同じ競合と、同じ指標で比べる。そうすると「先月より写真の差は縮まった」「でも口コミ件数では引き離されている」と、 変化が手に取るように分かります。打ち手が効いているかを確かめる、いちばん確実な方法です。

正直なところ

毎月、自分で競合を検索して数字を数えて表に書き写す——これは正直かなりの手間です。 現在地によって検索結果がぶれるので、毎回同じ条件で測るのも簡単ではありません。 続かなくて当然です。だからこそ、商圏内での自店の順位や競合との差を自動で記録してくれる仕組みに任せると、月1回の定点観測がぐっとラクになります。

順位そのものの見方や確認のコツは、Googleマップの順位を確認する方法もあわせてどうぞ。 全体像をもう一度整理したいときはMEO診断とはに戻ると、点と点がつながります。

競合との差を数字で

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よくある質問

Q. 飲食店の商圏はどう決めればいいですか?

A. 都市部の徒歩客中心なら半径500m〜1km、郊外の車客中心なら5〜10分の運転圏が目安です。ただしGoogleマップ集客では「お客さんがエリア名+業態で検索したときに自店と一緒に並ぶ店」が実質的な競合・商圏になります。

Q. 競合店は何店くらい見ればいいですか?

A. 同じエリア・同じ業態の人気店を3〜5店ピックアップすれば十分です。多すぎると比較が大変なので、まずは検索上位に出てくる店から選びましょう。

Q. 商圏分析は何を比べればいいですか?

A. 写真の枚数と1枚目、口コミの件数と評価、更新の新しさ、カテゴリと打ち出し、価格・メニューの見せ方の5つです。必ず数字でメモして、自店との差が大きい項目を弱点として特定します。

Q. 「商圏内で何番目か」は自分で出せますか?

A. 手作業では現在地の偏りが入るため、正確には出しにくい部分です。診断ツールを使えば、距離の偏りを除いた相対順位を毎月同じ条件で確認できます。

参考情報